2軒目は近所のバー」連動

事件のそばにバーがある

2011-01-30 10:34:55

「貯人」のすすめ 随筆家 山川静夫さん

[記事]

 NHKの看板アナウンサーだった随筆家の山川静夫さん(77)は昨年、優れた随筆に与えられるに輝きました。受賞作は、歌舞伎に熱中した青春時代をつづったもの。歌舞伎は、山川さんにとって「今日までも人生の支えであり続けている」といいます。

■連日の劇場通い
 歌舞伎との出合いが、すべての始まりだった。そして、振り返れば「人生最大の転機」になったという。
 昭和28年1月、大学1年生のとき。芝居好きの同級生2人に歌舞伎座(東京・銀座)に連れられ、花魁道中が豪華な「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」を立ち見した。「(六代目中村)歌右衛門が演じる花魁(おいらん)は男とは思えぬ美しさだった」。上演中、絶妙の間で「播磨屋」などと声をかける同級生の姿も粋だった。最初のかけ声で役者の屋号を間違う大失態を演じた悔しさもあり、劇場通いが始まった。
 常連が集う3階席は人情が生き、詰め襟姿の学生に温かかった。主に3階席から、かけ声をして舞台を盛り上げる常連を「大向こう」という。その仲間に入れてもらったことで、いろんな役得も生じた。
 帰りには、食事やお酒をごちそうしてくれた。売店の店員も、ほころびた学生服を繕ってくれる。声色のうまさを買われ、先代中村勘三郎からは、舞台での声の代役まで依頼された。
 NHKを志望したのも当時、ラジオで人気だった劇場中継がしたかったから。「普通は就職すると、趣味は趣味の域を脱しない。歌舞伎を仕事と同じように捨てなかった。それが仕事だけの単線ではない、二筋道(ふたすじみち)人生になった」

歌舞伎座(104-0061)の近所のバー
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