2軒目は近所のバー」連動

事件のそばにバーがある

2010-12-18 21:35:45

野間文芸新人賞は実力派2人

[記事]

 今年の射止めたのは、円城塔(とう)さん(38)と柴崎友香(ともか)さん(37)という実力派2人。選考経過を説明した作家、多和田葉子さんは「どちらも強く推す委員がいて、はじめから評価が高かった」と順当な受賞だったことをにじませた。
 円城さんの受賞作『烏有此譚(うゆうしたん)』(講談社)は、本文の下にユーモラスな注釈が付された異色の小説。純文学、SFとジャンルを超えて活躍する気鋭らしい前衛小説だが、「どのページを読んでも面白く、小説という形式の可能性を示してくれた」(多和田さん)と好意的に受け止められた。
 円城さんは「多様な読みを許容する作品と評価してもらえたのがうれしい」とほっとした様子。一方で、「読みにくさは今後の改善点。もう少し多くの人に受け入れられる形で書いても罰は当たらない」と漏らし、笑いを誘った。
 一方、柴崎さんの受賞作『寝ても覚めても』(河出書房新社)は東京と大阪を舞台に、十年越しの数奇な恋を描く。多和田さんは「著者独特の観察眼が、友人関係に自足せずに外に開かれている。跳躍しようとして成功した作品」と称賛した。
 柴崎さんはデビューから10年余り。「新人」の冠が似合わないほど多くのファンを持つが、「経験を総動員して新しい領域に踏み出そうと思って書いた」と感慨深げ。「表層にこだわる作家であることを宣言したマニフェストのような小説」との意見が選考会で出たと伝えられ、「小説を書くことで、この驚きに満ちた世界について考え続けたい」と表情を引き締めた。

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